正直な感想、「やっちまった...」。なんでこんな終わり方にしたのだろう、そんな感じ。
そもそもZガンダム自体、後半はエゥーゴ、ティターンズ(バスク陣営・シロッコ陣営)、アクシズとが入り組んで、仲間になったり離れたりでかなりストーリー展開がややこしい。それなのに、細部の描写を全部省いているものだから、とにかく展開が性急すぎる。ついて行けない人もいるのでは?リアルタイムで見ていなかった人にもみてほしい、とIの公開時に言っていたけど、これではストーリーを把握するのも無理ってもんだよ。
各キャラクターが逐一巡視していくシーンはそれなりに丁寧に書かれているものの、キリマンジャロでのフォウのエピソードとか、ロザミアのサイコガンダムMk-IIとか、その辺のエピソードはすっかりと省かれています。だからなのかな、TV版では次々と亡くなっていく戦友たち、そしてカミーユが心を寄せた女性たちの悲劇。それが最後に彼の精神崩壊へとつながっていったのだと思うのだけれど、けっきょくそのあたりの描写を省いたおかげで、カミーユを精神崩壊させるわけにはいかなくなっちゃったのかもしれない。初代ガンダムからZガンダムには、「魂が重力に引かれる」、「分かり合えた心から離れられなくなる」というテーゼが少なからずあった。そのテーゼを一気に破壊するようなラストシーン。ある意味では衝撃的なラストなのだけれど、あそこまで終わり方を変えられてしまうと、正直辟易してしまう。
はっきり言いましょう。Zガンダムを知りたいのなら、映画3本をみるよりも時間はかかるけど、TV版のDVDを一つ一つみていった方が、世界観を崩さずに済みます。いくら「新訳」というサブタイトルがついているとはいえ、すべてを無に帰す終わり方をさせてしまったこの映画版は、正直まったく別のモノです。IIまではそこそこ納得できる出来になっていただけに、よけいに残念でなりません。。。
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